『坂の上の坂』

『坂の上の坂』  藤原和博

男性の目線からの本ですが、納得できることはたくさんありました。

ほぼ同世代なので・・・

〜以下本文より抜粋〜
 
・私たちの年代も『坂の上の雲』に惹かれてしまうのは、実は私たちも
明治・大正・昭和を生きた上の世代の人生観を引きずって生きているから。

・日本人の人生観の中心的価値は「うまく生きる」こと。
「無難に世間を渡る処世術」ともいえる。

・日本の学生の就職人気企業ランキングはこの20年ほとんど変わっていない。
価値観が多様化しないといけない時代に逆にどんどん保守化が進んでいる。

・テレビをみなくなり、新聞を過剰にフォローしなくなったお蔭で新聞報道をそのまま事実として受け取ったり、キャスターやコメンテーターの勝手な解釈を自分の意見であるかのように勘違いしなくなった。

・個人の人生も経営(マネジメント)である。

・オリジナルなモノづくりのハードルは今やどんどん下がっている。

・タダでやっておいたほうがいい仕事がある。
お金が発生しないことをするなんて、そんな余裕はない、忙しくてやれない。と思ってやらない人は、一生、忙しいまま。

・名刺を出さない。大事なことは、相手との間に関係を作ること。そのためにまず相手のことを理解する。自分のキャラクターをどうやって相手をリンクさせるか考える。

・今の時代を生きる子供は、かつて地域社会にあった「ナナメの関係」が圧倒的に足りない。

・成熟社会では二人で行動することにメリットがある。夫婦でなくても誘い合って二人で行動する。それは、処世の知恵だと思う。一人で何かを感じるより、二人で体験して感想を語り合うほうが、豊かな生活に結びつくに決まっている。

・もしこれだけ長い期間をパートナーとして過ごせる自信がないのであれば、お互いメンバーチェンジを考えたほうがいい。その方がもう大人になった子供たちにとってもいいかもしれない。二人主義で気持ち良く過ごせる新たなパートナーを全力で発見すべき。

・世の中は、女性の微笑みと拍手によって造られてきた。

・道具が人脈をつくるのではない。

・私たち「坂の上の坂」世代の後半の生きざまに「正解」はない。
モデルもない。先輩の生き様も参考にならない。
だから、新しいモデルになるには、孤独も恐怖感も付きまとうでしょう。
でも、その恐怖でさえも、楽しんでしまおうではありませんか。



冬空の庭に咲く菊。